登記情報の収集・整理を簡単操作で完結。 手作業中心だった評価業務をDXの力で刷新

創立から一世紀。地域に根ざした金融サービスを展開してきた静岡中央銀行では、いま次の100年に向けた変革が動き出しています...


この記事は約7分で読み終わります。

創立から一世紀。地域に根ざした金融サービスを展開してきた静岡中央銀行では、いま次の100年に向けた変革が動き出しています。本社ビルの建て替えをはじめとする記念事業とともに、銀行全体で取り組む重要テーマがペーパーレス化を中心としたDX化です。今回は、融資評価の現場で実務を担う木下様(写真左)と、システム導入や業務設計を推進する久田様(写真右)のお二人に、ホームズのシステム導入の経緯と実際の効果についてお話を伺いました。

膨大な資料と入力作業に追われる日々。 融資の現場は時間との格闘

―「オンライン登記情報システム」を導入する前の課題を教えてください。

融資部門では、土地・建物の登記簿や公示価格、路線価、写真など多数の資料をもとに、融資判断に必要な評価依頼書を作成しています。金融機関としての信用を支える基礎業務でもあり、正確さとスピードの両立が求められます。しかし、登記情報を一字一句入力したり、紙の資料を突き合わせてチェックする手作業のプロセスが大きな負担になっていました。

―時間もかかりそうですね。

情報はすべて目視で確認し、行員の知識に基づく判断が必要な要素も多く、作業のルーチン化による時間短縮はほぼできません。特に繁忙期には、何十件もの案件を同時に抱えることもあり、まさに時間との戦いでした。1件仕上げるのに1時間以上かかることもあり、夜遅くまで机に向かうことも珍しくありませんでした。

―営業店からのプレッシャーも大きかったのでは?

融資を希望されるお客様には、即日の回答を求められる方も少なくありません。営業店の行員から「なるべく早く結果をお伝えしたい」とリクエストを受けても、手作業には限界があります。私たち融資部門だけでなく、営業店、そしてお客様にとっても歯がゆさの残る場面が多かったと思います。

―融資部門の増員などでは、解決は難しかったのでしょうか?

はい。営業・融資・事務、それぞれの業務が複雑化している中で、単純に人数を増やすのは現実的ではありません。また、複雑な情報を精緻に理解し、融資に見合う案件かどうかを判断するスキルは、一定の業務経験を積んでこそ育つものです。したがって、新人育成による即戦力化も簡単ではありませんでした。

「慣れた手順のまま使える」が導入の決め手

―そうした中で、「オンライン登記情報システム」の導入を検討されたのですね。

はい。銀行全体としても、営業店の業務効率化は長年の課題でした。ペーパーベースでのやり取りが主流となっていた既存の銀行業務の流れを大きく崩さずにデジタル化できる点で、ホームズさんのシステムは最も理想的でした。

―既存の銀行業務のフローを崩さずに、とはどういうことでしょうか?

例えば、新しいシステムを導入する際に、既存の業務フローをリセットし、システムや仕様に合わせて新しい手順を構築するケースがあります。そうしたやり方は現場の混乱を招くリスクが高いと感じていました。やはり長年培ってきた業務のスタイルやルールを尊重する必要があります。フルパッケージ型のシステムでは、現場での適応を求められる場面が多く、結果的に負担が増してしまう印象でした。

―ホームズのシステムは、その逆だったと。

そうですね。当行のルールや依頼書の形式をそのままシステム上で再現できる点が魅力でした。いわばカスタマイズ性の高さです。こちらが求めるフォーマットを崩さずに、既存業務をスムーズに置き換えられる提案をいただいたことで、導入後の活用シーンが具体的にイメージできました。かなり細かな要望を出しましたが、「それはすぐ対応できます」と即答してくれた点も印象的で、システムの柔軟性とスピード感に信頼を感じました。

簡単操作で完結する仕組みへ。 現場とともに育てたシステム設計

―導入時の要件定義で重視された点は?

登記情報をダウンロードしてフォルダに格納し、添付資料を加える。そうした煩雑な手作業を可能な限り排除することでした。理想はクリックひとつで情報を自動取得し、他システムとも連携できる姿。ホームズさんはこの要望に対し即座に仮モデルを提示してくれ、双方のイメージを擦り合わせながら詳細を詰めていけました。意思の疎通がしやすかったのも大きいですね。

―導入において安心材料になったことはありますか?

ユーザー会と呼ばれる、ホームズさんのシステムを導入している他行の集まりに参加しました。どの銀行も「使いやすい」と評価しており、ホームズさんとの信頼関係も深いことを確認でき、非常に安心しました。他行のシステム担当者と交流でき、課題の共有やざっくばらんな意見交換ができたことも良い体験となりました。

―導入はどのように進められましたか?

まずは評価依頼書の電子化から着手しました。テスト環境を用意して段階的に導入し、現場の担当者に操作体験をしてもらいました。操作説明会を複数回開き、現場の声を反映して仕様を調整。現場と一緒に”育てる導入”を意識しました。

紙の束からデジタルへ。 業務時間を半減させた実感と浸透の工夫

―現場の反応はいかがでしたか?

当初は「紙の方が安心」という声もありましたが、実際に使ってみると「操作が直感的」「ミスが減った」といったポジティブな意見が増えました。地図や路線価データをワンクリックで呼び出せるようになり、調査スピードは格段に向上。紙をコピーして貼り付ける作業もなくなり、業務時間が体感で半分程度になったという声もあります。

―システムの定着を進めるうえで工夫されたことは?

「ホームズを使わないと評価ができない」というルールを明確に設定しました。そのうえで、操作手順書や業務フロー表を整備し、誰でも迷わず使えるようにしました。今後は、操作説明動画を作成し、隙間時間でも確認できるようにする予定です。

―起きた変化はありますか?

全行員で約6,000時間の業務削減効果を見込んでいますが、導入からまだ数カ月のため、数字的な変化が示されてくるのはこれからでしょう。オンライン登記情報システムをうまく日常業務に取り入れることで、これまで手作業だった業務を大幅に削減し、浮いた時間を活用してお客様へのアプローチ回数を増やすなど、時間の使い方を変えていきたいです。

人の知見とテクノロジーが交わり、 金融の最前線はますます進化する

―今まで以上に銀行員本来の仕事に集中できるようになったのですね。

そうですね。登記情報の手入力が不要になり、地図や路線価データも自動反映されるようになりました。担当者ごとの作業手順のばらつきが減り、品質が均一化されています。以前は紙の束を抱えて確認していましたが、今ではモニター上で全て完結。「どこに何があるか」が一目で分かる視認性も向上しました。そうしたより明確に可視化された情報に触れることで、行員の意識も高まっています。数字だけでは測れないその土地の分析の仕方、融資の判断に足る内容であるかを見極めるポイントなど、人間の経験があってこそ可能な情報の扱い方の指導などにも力を注ぎたいです。

―銀行員の知恵と経験、そしてシステムが融合して、さらなる発展が期待できそうですね。

はい。互いの強みをうまく取り入れることで、現場はさらに良くなると思います。その意味でも、自由度の高いシステム設計と柔軟な対応力を持つホームズさんをパートナーに選んだのは大正解でした。

次の100年のためのDX基盤づくりを、ホームズとともに

―今後の展開について教えてください。

現在は評価依頼書作成が中心ですが、登記情報のエクセル化や相続税路線価の自動取得など、今後試したい機能も多くあります。また、営業統括部門にも展開し、営業ツールとしての活用も視野に入れています。

―最後に、導入を検討している金融機関へのメッセージをお願いします。

「百聞は一見にしかず」。この一言につきます。課題は各行で異なりますが、ホームズさんに相談すれば、必ず具体的な解決策が得られると思います。ホームズさんは”システムは人が使うもの”という視点を深く理解されており、その丁寧な対応と現場目線の開発姿勢はとても心強いです。人とシステムが補い合う関係を築くことで、安心して次の業務改革に踏み出せると感じています。