不動産売買の営業トーク集(テレアポ編)
テレアポなどの営業においては、お客さまの購入意欲の程度に応じて効果的な受け答えが変わる点に注意が必要です。ここでは、テレアポにおける不動産売買の営業トークスクリプトの具体例を購入意欲別に複数パターン紹介します。
購入意欲が高い場合
不動産の購入意欲が高いお客さまを相手にする場合、余計な前置きはせず具体的な物件情報や内見の案内予約について切り出しましょう。購入意欲が高いと、希望条件に沿う物件情報であればすぐに聞いてもらえるからです。
お客さまのライフスタイルやニーズを踏まえ、気に入りそうな物件をいくつかピックアップした上で電話をかけると、スムーズに話が進むでしょう。
テレアポの営業トーク例は、下記の通りです。
営業担当「〇〇(会社名)の〇〇と申します。お忙しいところ恐れ入ります。〇〇様にご紹介したい物件がありましたのでお電話しました。現在、〇〇の目的で、〇〇のエリアに不動産をお探しでよろしかったでしょうか」お客さま「そうですね。希望に合う物件があれば、検討したいと思っています」
営業担当「ちょうど、〇〇様がご希望のエリアに条件の良い物件がございます。お問い合わせの多い人気のエリアでもありますし、内覧だけでもいかがですか」
お客さま「そうですか。いったん見てみるだけでも良ければ」
営業担当「そうしましたら、〇月〇日のご都合はいかがでしょうか」
購入意欲がややある場合
購入意欲はあるものの、提供した物件情報が条件に合わないなどの理由で関心を得られない場合もあるでしょう。このようなときは、お客さまのニーズや今回気に入らなかった点を十分に確認し、再度連絡できる状態を維持し次のチャンスにつなげることが大切です。
購入意欲がややある場合、例えば次のようなトーク例があげられます。
営業担当「〇〇(地域名)に投資に適した物件がございましたのでお電話しました」お客さま「そのエリアではなく、△△(別の地域名)の物件が欲しいんですよね」
営業担当「承知いたしました。△△エリアで良い物件が出ましたら、またご紹介してもよろしいでしょうか」
お客さま「ええ。お願いします」
営業担当「かしこまりました。またご連絡させていただきます」
購入意欲が低い場合
すぐには不動産の購入を考えていないお客さまへのテレアポでは、しつこく営業するのは失敗のもとです。物件を積極的に売り込むのではなく、無料の資料送付などを通して連絡しやすい関係性を築き、将来的に見込み客になってもらうことを目指しましょう。
購入意欲が低いパターンでは、次のようなトークスクリプトが効果的です。
営業担当「〇〇(会社名)の〇〇と申します。お忙しいところ恐れ入ります。〇〇様にご紹介したい物件がありお電話しました。投資目的の不動産に関心はございますか」お客さま「不動産投資は関心ないですね」
営業担当「条件の良い物件が出た場合、ご検討される可能性はございますか」
お客さま「ないです」
営業担当「承知いたしました。ご参考までに市況などの最新情報の資料を無料でお送りさせていただくサービスがございますが、いかがでしょうか」
お客さま「まあ、無料ならいいですよ」
営業担当「ありがとうございます。お送り先のご住所(またはメールアドレス)をお聞かせください」
不動産売買の営業トーク集(対面編)
対面での不動産売買営業では、アイスブレイク・ヒアリング・クロージングといった流れでトークを進めるのが一般的です。ここでは、営業フロー順に営業トーク集を紹介します。
アイスブレイクの場合
アイスブレイクとは、お客さまの緊張感や警戒心を緩ませて、お互いがフランクに話せる状態をつくる過程のことです。アイスブレイクが成功すると、お客さまのニーズや本音を聞き出しやすくなるばかりか、信頼関係もスムーズに築けます。
アイスブレイクのコツは、リラックスできる話題で談笑し仲間意識を醸成することです。注意点としては、政治・社会問題・宗教などデリケートな話題を避けることや、時間をかけすぎないことがあげられます。
ここでは、お客さまのご来店時・ご案内時・訪問時の3つのパターンについて、アイスブレイクのトーク例をチェックしてみましょう。
ご来店時のアイスブレイク例
お客さまが来店したタイミングのアイスブレイクでは、誰でも気軽に話しやすい天気や時候の話題がおすすめです。
【トーク例】
ご案内時のアイスブレイク例
物件などをご案内する時点では、周辺のエリアや環境を話題にすると良いでしょう。お客さまとの距離感を縮められるだけでなく、物件への印象や不動産に求める条件などに関する本音をさり気なく聞き出すことができます。
【トーク例】
訪問時のアイスブレイク例
お客さまのご自宅や勤務先などに訪問する際は、関心があることや趣味などを話題にするとアイスブレイクが成功しやすくなります。
【トーク例】
ヒアリングの場合
ヒアリングとは、お客さまのニーズや希望条件、悩みなどの本音を具体的に把握するフェーズです。希望条件を正確に聞き出せれば、おすすめすべき物件が明確になるため成約率アップにつながります。
特に不動産を探し始めて時間が経っていないお客さまは、自分でも希望条件を明確に把握できていない場合があるので、ヒアリングで具体化することが大切です。
【トーク例】
「どのようなきっかけで物件を探し始めたのですか」
クロージングの場合
営業の締めくくりであるクロージングでは、お客さまの状態に応じたトークをして、状況確認や次につなげる後押しなどをします。ここでは、お客さまに考えをまとめてもらいたいときなど、よくある5つのパターンに適した話法を紹介します。
お客さまに深く考えてもらう場合
お客さまに考えを整理してもらいたいときは、考えを深めて欲しい内容について質問をした上で、あえて沈黙するトークが有効です。営業担当が黙るとお客さまは考える時間が確保できるので検討が進みやすくなります。
【トーク例】
営業担当「(沈黙)」
お客さまが懸念事項を抱えている場合
物件に魅力を感じているが懸念事項も抱えている状態にあるお客さまには、いったん引いてみるクロージングが有効な場合もあります。ただし、物件に十分な魅力を感じていないお客さまには逆効果になるので注意が必要です。
【トーク例】
営業担当「そうですよね。良い物件である分、どうしても価格がある程度になっていますよね。」
お客さま「そうなんですよね、でも、ほかの条件は満たしているので……」
営業担当「価格面が折り合わないということは今回は難しいですかね……」
お客さまが物件に魅力を感じていない場合
お客さまが物件を購入する魅力を見出せていない場合、購入するメリットと購入しないデメリットの両方を伝えると効果的です。
【トーク例】
「一方で、購入しないと○○というリスクがあります」
お客さまの気持ちを高める場合
あと一押しで決断できそうなお客さまには、購入後のイメージを具体的に想像させることで成約につながりやすくなります。
【トーク例】
「この自然にあふれたエリアに物件を購入したら、どのような楽しみ方をしたいですか」
お客さまに選ばせる場合
複数のおすすめ物件がある場合は、「買うか買わないか」ではなく、「どちらの物件を購入するか」を検討する方向へ誘導すると成約しやすくなります。
【トーク例】
不動産売買の営業トークのコツ
不動産売買の営業トークを成功させるには、いくつかコツがあります。まず、ポイントを絞り簡潔に話すのが大切です。比喩や比較を取り入れつつ要点をわかりやすく伝えることで、お客さまの理解と信頼を得やすくなります。
また、トークは相手目線で進め、否定的な言葉は避けて、相手の話には共感を示しましょう。お客さまは自分の考えを尊重してもらえると感じ、要望や悩みなどの本音を聞き出しやすくなるからです。
さらに、相槌を打つときは要点を復唱すると、お客さまから「誠実に話を聞いてもらえている」と認識されます。重要なポイントを見逃さないようにするためにも有効です。
まとめ
アポ獲得や成約につながる営業トークをするには、状況に応じた自分なりのトークスクリプトを作成し、コツを押さえた話し方を心がけることが大切です。今回紹介したトーク例やポイントを活用し、トーク力を身に付けていきましょう。